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投稿日:2025年11月1日

2026年4月から健康保険の被扶養者認定における 年間収入の取り扱いが変わります

10月から19歳以上23歳未満の家族について被扶養者の認定要件が緩和されています。被扶養者の認定要件について変更があったばかりですが、さらに、来年度から被扶養者の認定における「年間収入」の取り扱いについて変更となることが発表されました。

今回は2026年4月1日から変更となる「年間収入」の取り扱いについて解説していきたいと思います。

現行の被扶養者の認定について、被扶養者の範囲や収入要件などの詳しい内容は2025年9月のコラムで解説していますので、合わせ確認してみてください。

“過去・現在の収入、又は将来の見込み額”から“労働契約による見込み額”へ

被扶養者となる方に収入がある場合、原則として、年間収入が130万円未満(※1)かつ、同居の場合には被保険者の年間収入の2分の1未満、別居の場合には被保険者からの援助額より少ないという収入に係る要件があります。

現在は、被扶養者となる方の“過去の収入、現時点の収入、又は将来の収入見込み”などから、今後1年間の収入を見込み、これを年間収入として判定しています。この点について、2026年4月1日以降は、給与収入以外の収入が無い場合“労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入”から判定されるようになります。

※1 対象の被扶養者が60歳以上の者である場合又は障害者の場合は180万円

労働条件通知書等で年間収入を確認

従業員から家族を扶養にしたいと申し出があった際、現在は勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書などにより年間収入を見込んで確認していると思います。来年度からは、認定に係る申請時点の「労働条件通知書」等を確認して年間収入を見込んで確認することになります。従業員に求める提出書類が変わってきますので社内への周知も必要になりそうです。また、労働条件に変更があった場合には、新たな労働条件通知書等を提出を求め、その内容に基づき、見込まれる年間収入が基準額以下であるかの確認が必要となります。

給与収入以外の他の収入がある場合や労働条件通知書等が無い場合は?

年金収入や事業収入など、給与収入以外の収入がある場合や、労働契約の内容が確認できる書類が無い場合には、現行どおり、収入証明書や課税(非課税)証明書などにより判定することになります。

「年間収入」の見込み額には賞与や時間外労働も含まれるのか?

「労働契約で定められた賃金」とは、労働基準法第11条に規定される賃金をいい、諸手当や賞与も含まれます。

一方、労働契約段階では想定されていなかった臨時収入や、労働契約に明確な規定がなくあらかじめ金額を見込み難い時間外労働に対する賃金等は年間収入の見込み額には含まれません。

また、臨時的収入があった場合や、労働契約に明確な定めがなく労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったが結果的に時間外労働が発生した場合で、結果的に年間収入が130万円を超えてしまった場合は、一時的な収入変動とみなし、労働契約に定められた賃金で判定することになります。

 

変更となるのはまだ先になりますが、2026年4月以降、年金制度改正による制度変更など社会保険関連の改定が続きます。今のうちから変更点をおさえ、事前準備をすることをおすすめします。

なお、厚生労働省のHPに「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&Aについて」が掲載されています。合わせて確認しておくと良いでしょう。

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