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代表三輪のコラム

投稿日:2026年10月1日

No.54 AI 時代における「仕事の再設計」-№1- ~仕事を分けるとAI を置く場所が見えてくる~

~代表・三輪康信からのメッセージ~
「AI 時代における「仕事の再設計」-№1- ~仕事を分けるとAI を置く場所が見えてくる~」
社内木鶏会感想文 & チアレッジタイムズ委員会より

 

AI 時代における「仕事の再設計」-№1- ~仕事を分けるとAI を置く場所が見えてくる~

私が社労士業界に入ったのは16 年前。前職とはまったく異なる世界で、まず驚いたのは、給与計算や各種手続きなど、扱う業務の種類と工程の多さでした。
以来16 年、人事コンサルティングと教育研修に力を注ぎながら、給与計算や手続きの工程には、全体を見渡す位置から関わってきました。
今年に入り、業務改善コンサルタントの視点で改めて給与計算と社会保険手続きに関わるようになりました。すると、同じ業務がまったく違って見えてきたのです。生産性を劇的に高められる方向が、そこにありました。

「もっと楽に、正確に、早くできないか」

前職はスーパー銭湯の統括職で、そこでは発注のために食品倉庫の在庫を数え、システムに打ち込むという作業を行っていました。発注書に直接、数量を書いて発注しながら、同じ数字をシステムにも入力する。これが二重の作業に思えて仕方がありませんでした。
そこで、システムに入力されたデータから倉庫の残量を出し、それをそのまま発注に使えるようにExcel のマクロを組み、自分で仕組みをつくったのです。誰に頼まれたわけでもありません。今だったら、AI に頼んでもっと楽につくれていたでしょう。
「もっと楽に、正確に、早くできないか」。この見方は、昔から持っていたと思います。AI と組み合わせることで、やれることの幅が今、一気に広がってきています。

仕事を機能別に分けるとシンプルになった

業務改善に取り組むなかで、私の頭にあったのはいつも同じ問いでした。「もっとシンプルに、簡単にできないのか」「手入力の作業をなくすことはできないのか」。人事部の主要業務である給与計算と社保手続きを分解してみると、「情報を集める」「必要な形に加工する」「相手に届ける」という三つの機能に整理できました。種類も工程も多い業務ですが、機能の組み合わせとして捉え直すと、構造そのものはとてもシンプルです。
例えば、入社の手続きをする場合、ご本人から必要な情報を集め、行政が指定する形式に加工して整え、行政へ届けます。この一連の流れには、法律の知識に加えて行政特有の要件の理解も欠かせません。一方で、情報の転記や形式の変換のように、必ずしも人が担う必要のない定型的な作業も数多く残っています。

上流と下流の分断をなくす

主要業務の一つである給与計算には上流と下流があります。上流は、勤怠情報を集めて整える部分。そして下流は、これまで社労士が担ってきた計算の部分です。社労士としての仕事で「給与計算」というと、個々人の勤怠の集計が終わったあとを指しているのですが、どの日が休日で、どの時間から残業となり、賃金の割増の対象になるのか。そうした情報を集計して整える上流の部分は、長らく会社側の仕事とされてきました。
しかし、その集計には法律の知識が要ります。しかも、全体のルールを定める就業規則の作成には社労士が関わっているのに、勤怠情報の最初の集計には関与していないケースが少なくありません。
その結果として、就業規則と実際の集計方法に齟齬が生じ、顧客企業の担当者が対応に苦労することが多かったのではないでしょうか。
それでも上流工程への関与が進まなかった背景に、法律知識を要する判断を誤った場合の責任の重さがあります。慎重になるのも無理はありません。ですが、ここを逃げるわけにはいかないと思っています。
情報を集めて整える工程と、その情報をもとに計算する工程を一体で設計して初めて、給与計算という仕事そのものを再設計できます。当社は、その両方をやります。法的知識とソフトの知識を兼ね備えた存在であることに拘っています。さらに言うと、これからはAI を活用することで、これらの業務に劇的な変化をもたらすことができると考えています。

問いは「どこまで任せるか」に変わった

AI を用いるにあたり「個人情報の保護」を気にされる方も多いでしょう。当社では、個人情報をAI に渡すことなく、AI の力を業務に組み込むようにしています。お預かりしている個人情報を外に出さないことを「人の注意」に頼るのではなく、「仕組みで止める」設計にしています。
お客様から預かった情報は、当社だけの判断で扱い方を決められるものではありません。便利さを理由に、利用目的や管理方法について合意した範囲を越えてはならないのです。「AI を使うか、使わないか」という問いは、もう古い。要は「どこまで任せ、どこから先は任せないか」。その線を自分で引けるかどうかです。
1 月号で「1 時間かかっていた作業がAI なら1 秒で終わる」と書きました。実際、「加工する」はそれに近いところまで来ています。「届ける」も電子申請で形が決まっていますから、AI やシステムが力を発揮しやすい領域です。ところが「集める」には、あまり手が入っていません。ここに、私たちもお客様も最も多くの時間を使っているのではないでしょうか。
次号では「〝集める〟を科学する」というテーマについて述べたいと思います。

【社内木鶏会 感想文】

*人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。

<対談 強い思いが勝利への道を開く>
2011 年のFIFA 女子ワールドカップドイツ大会で、なでしこジャパンのキャプテンを務め、初優勝の快挙を成し遂げた澤穂希さん。そのレジェンドに憧れてサッカーの道一筋に歩み、いまドイツの一チームFC バイエルン・ミュンヘンで活躍している谷川萌々子さん。世界を舞台に戦ってきたお二人に、それぞれの歩みを交えて、これまで越えてきた試練、人生の夢・目標を実現していくヒントを語り合っていただいた。

 

<今月の選出感想文>

サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の澤穂希さんと、現代表の谷川萌々子さんの対談を読んで、お二人に共通していたのは、若い頃から胸の内に「目指すもの」をしっかり抱いていたという点に
ある。澤さんはベレーザに入団したとき、自分より高いレベルの選手たちのプレーを間近で見て、闘争心が芽生えたと語っている。環境が人を変える瞬間というのは、まさにこういうことなのだろう。「自分もあのレベルに到達したい」という思いが、彼女の中で静かに形を持ち始めたのだと感じる。
一方の谷川さんは幼い頃、ワールドカップで世界一になった澤さんに憧れ、「いつか自分もサッカー選手になりたい」と強く願ったという。まだ夢のほうがずっと大きかった年齢で抱いたその思いが、彼女を長い道のりへと導いていったのだ。
特集では「志」と「目指すもの」は同じ方向を指しながらも、少し趣が違うと説明されていた。志は人生をかけて実現していく大きな方向性であり、目指すものは「こうありたい」「こう生きたい」と心の奥でそっと願う具体的な姿。この違いは、働く私たちにもどこか馴染み深い。大きな志があっても、日々の行動を支えるのは、もっと身近で具体的な“目指すもの”なのだと思う。
また、澤さんは海外選手とのフィジカル差に限界を感じた経験から、「他人と比較するより、自分の長所を最大限伸ばすことが大切」と語っていた。これは、チアレッジブックにある行動基準「出来る方法を考える」の言葉にも重なる。どれほど高い壁を前にしても、できない理由を探すのではなく、今の環境でできること、今の自分だからこそできることを探し続けること。その積み重ねが、やがてどんな困難をも打ち破るような大きな力へと変わっていくのだ。
お二人の言葉に触れていると、人が前に進むときの最大の原動力は、特別な才能などではなく、心の中にある小さな「目指すもの」なのだと改めて気づかされる。その願いがあるからこそ、人は壁を乗り越える力を生み出し、今日踏み出した小さな一歩が、確かな未来へとつながっていくのだろう。
〔労務チーム:和泉 美絵〕

【なぜ10 月は秋なのに“神無月”?】

10 月は旧暦で「神無月(かんなづき)」と呼ばれます。その由来には諸説ありますが、全国の神様が出雲に集まるため、出雲以外では神様がいなくなる、という話が有名です。ちなみに出雲では、神様が集まることから「神在月(かみありづき)」と呼ばれるそうです。
秋の夜長、こんな小さな豆知識を楽しみながら、ゆっくり過ごすのもいいですね。

 

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