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代表三輪のコラム

投稿日:2025年3月1日

No.35 「萩 志・探求 研修ツアー」を開催して学んだこと、感じたこと

~代表・三輪康信からのメッセージ~
「萩 志・探求 研修ツアー」を開催して学んだこと、感じたこと

 

「萩 志・探求 研修ツアー」を開催して学んだこと、感じたこと

2 月6~7 日に「萩 志・探求 研修ツアー」を開催しました。和田一廣先生や松陰神社の白上陽一郎宮司のご講話もいただき、松陰神社、明倫学舎、明倫小学校、萩の伝統的建造物や産業遺産群などを訪問。経営者や経営幹部が自身の志を再確認し、使命とビジョンを深めるためというのが目的です。今回は、そこで得た学び、感じたことをお話したいと思います。

「〝憤〟があるか」

吉田松陰や高杉晋作をはじめとする維新の志士たちは、寝食を忘れ、生きている時間のすべてを自身の志にしたがって突き進みました。その原動力となったのは、「これは国の危機だ!このままではいけない!」という強い「憤」だったのではないでしょうか。
彼らは、刀や槍、火縄銃が主な武器だった時代に、突然現れた黒船の威容に衝撃を受けました。煙を噴き上げ、大砲を搭載したその姿に圧倒され、危機感を覚え、「何とかしなければ!」という思いを募らせた。そうした思いが、多くの書物や情報、人との出会いを通じて固まり、やがて強固な志となっていったのでしょう。
以前から、私の心には京都大学元総長・故平澤興氏の言葉「人間力を養うために最も必要なのが〝憤〟の一字である」が常に引っかかっていました。「物事に出会い、人に触れて感動し、自己の理想に向かって心を燃やす。そうした情熱を持たない人に人間力は備わらない」と。
大切なのは、その人自身に「憤」があるかどうかだと。「憤」があれば、内からエネルギーがフツフツと湧き上がります。今回のツアーで私は、この言葉が改めて胸に刻まれ「志とは〝憤〟が練りに練られて凝固したものだ」と定義しました。

「師弟同行、師弟共学」という考え方

明倫学舎では、CG で再現された松下村塾の授業風景を見ることができました。そこに映し出されたのは、世界地図を用いた授業の様子です。塾生たちは「えっ‼ 日本ってこんなに小さいの?!」と驚愕したことでしょう。松陰は事実を伝え、自身の想いも語りながら、「みんなで話し合い、考えよう」と促しました。「私は教えることはできませんが、一緒に学ぶことはできます。共に励みましょう」——これが松陰の学問に対する基本姿勢だったのです。
松下村塾が存在したのはわずか2 年余り。一説では92 人の塾生がいたそうですが、総理大臣2 名、国務大臣7 名、大学の創始者2 名を輩出しています。しかも、この中には「四天王」と称された高杉晋作、久坂玄瑞、入江九一、吉田稔麿は早逝したため、入っていないんです。

互いにエネルギーを高め合う

今回のツアーで、私自身も心が熱くなりました。しかし、熱というものはどうしても時間とともに冷めてしまうもの。「明日からやろう…」などといっているうちに頓挫しがちです。
塾生たちは「この国を何とかしたい」という強い想いのもと、互いにエネルギーをぶつけ合い、高め合っていました。松下村塾の凄いところは、「熱が冷める前に意見をぶつけ合い、さらに熱を高め、その熱が冷めないうちに行動に移す」仕組みを持っていたことです。
師がいて、仲間がいて、「君はどう考える?どうする?」と互いに問いかけ、発奮し合える環境がある。人間は弱いもの。だからこそ、人の力を借り合う、これも組織のいいところです。そして、「やらされ感」ではなく自ら主体的に関わっていく、これも絶対条件です。
和田先生が作成してくださった資料には、「松陰先生は一人ひとりを見て、個々を尊重し、個性に着目する教育を行った」とありました。人への興味と絶対的な尊重があるからこそ、実践できた教育でもあると思います。組織を束ねていく上で、大いに学ぶべき点がありました。
その人を肯定し、尊重し、信じて情報を提供する。互いに意見を交わし、発奮しあう、そこには、計り知れない熱気があったのではないでしょうか。人が発するエネルギーにはすごいものがあります。実際に、研修2 日目に訪れた明倫小学校の朝礼で、子供たちが松陰先生の言葉を力強く、大きな声で朗唱する姿、声に、私自身も大きなエネルギーをもらいました。

「〝憤〟がどこに向かっているのか」

重要なのは、〝憤〟がどこに向かっているかです。自分のためだけに向けられた〝憤〟は、痛々しいし、誰の共感も得られません。
私が20 代後半、小学校から高校まで野球部で共に過ごした幼馴染と久しぶりに食事に行った時のことです。野球部時代の関係そのままに、一方的に喋る私の話を彼は穏やかに聞き続けてくれました。ですが「ここはオレが…」と高級焼肉店の支払いをサッとすませたのは彼。さらにキオスクでは「日経ビジネス」を手にとり、一方の私が手を伸ばしていたのは週刊誌。あの日の恥ずかしさが私の中に「憤」を生みました。学ばなければ!と思ったんです。
勉強を重ねるうちに、「結局、私は何をやりたいのだろう?」と考えるようになり、思い出したのが「元氣のなかった職場に活気を取り戻した時の喜び」でした。さらに、当時の職場で休憩時間にも必死で勉強する中国の留学生と、そうでもない日本の学生を見比べて、「このままで日本は大丈夫なのか?」という危機感が芽生え、また「憤」を感じたんです。
私がやりたいこと——それは働く人を元氣にして、会社と社会を元氣にすること。元氣な組織が社会全体に広がっていけば、日本も元氣になる。これこそ、当社の経営理念であり、私の志です。
チャレンジにはリスクとリターンが伴います。失敗を恐れ、「安全な道」を選びがちですが、本当にやりたいことは何か——それを改めて考えさせてくれたツアーでした。「やらないと絶対に後悔する」。そう確信し、私は、「振り切ってやっていく」決意ができました。

【社内木鶏会 感想文】

*人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。

<特集 万事修養>
人生には嫌なことや辛いこと、受け入れ難いことが起こる。その時、絶対に自棄を起こしたり、逃げたり、呪ったりしてはならない。それは自分の人生に必要なことと善意に受け止め、自分という人間を磨くための修養と受け止めていく。すると必ず道はひらけてくる。万事修養―人生のあらゆることを自分の修養の糧にしていく。その心構えで人生に臨みたい。

<今月の選出感想文>

 修養とは、「徳性をみがき、人格を高めること」です。
私がこの特集を読んで思い出したのが、『心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる』という、一度は耳にしたことがあるであろう、哲学者・心理学者のウィリアム・ジェームズの言葉です。
心を変える、ということは大層なこととも思えます。正直、そんな簡単に心のありようを変えられるものなら苦労しない…と悲観してしまう気持ちの時もあります。なので私は、「小さいなんでもないようなことから心のありようの変化を」と考えます。それは例えば、この事務所のビルのエレベーターが故障して使用できないというときに、「え、6階まで階段?」と一瞬思いますが、「太ももとおしりを鍛えろってこと?一段飛ばしていく?」という思考にして、上り切った後は「鍛えた自分天才」と自身を褒めます。こんなほんの小さな小さな困難ですが、最終的に自分を褒めることにつなげ、褒められた自分は、その後の仕事へのモチベーションがほんの少し上がります。
簡単な言葉でいうと、結論、「ポジティブにいこう!」ということです。些細な事象からポジティブを発動していけば、いつのまにかポジティブが通常になります。
結果、人格が高められたかどうかは、周りからの評価かと思うのでまだわからないですが、少なからずこのポジティブは周りに必ず良く影響すると思います。
さあ、皆様ご一緒にポジティブの連鎖を!
〔労務チーム:大井 美樹〕

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