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代表三輪のコラム

投稿日:

No14 理念や社是は現場、仕事で使って初めて効果を発揮する

~代表・三輪康信からのメッセージ~
理念や社是は現場、仕事で使って
初めて効果を発揮する
社内木鶏会感想文 & 人事労務 DX 化セミナー開催レポ

理念や社是は現場、仕事で使って初めて効果を発揮する

先日、私が参加した読書会でとりあげられたのは、創業 69 年、和洋菓子の販売店を国内に 730 店舗、海外 9 カ国に 160 店舗を展開、1,000 億円企業に育て上げたというシャトレーゼホールディングス、齊藤寛会長のインタビュー記事でした。齊藤会長は「三喜経営~お客様に、取引様に、社員に喜ばれる経営~に徹しよう」ということを大切にされています。ちなみにその優先順位は〔①お客様 ②お取引先 ③社員〕という「三方よし」経営です。

理念や社是を「言葉だけ」にしない、させない

このインタビューの中で「理念や社是を浸透させようと、どんなに集合教育でトップが語っても、朝礼で唱和をしても、言葉だけになる。真に社員が実践し、問題解決に生かすためには、仕事の中で直に教え、考えさせていくしかない。『これはお客様のためになるのか』ということを常に僕が問いかけて、社員に考えさせるようにしている」という話しがありました。
あの有名なテーマパークの話しですが、「成人式の日に振袖で来場したゲストをアトラクションに乗せるのは危険ではないか?」と議論になったことがあるそうです。S(Safety:安全)C(Courtesy:礼儀正しさ)S(Show:ショー)E(Efficiency:効率)」という 4 つの行動基準があって「やはり一番に優先すべきは〝安全〟。振袖で来場された方はお断りしよう」となりかけた、でも、「一生に一度の振袖、思い出づくりのために来た方を安易に断っていいのだろうか?悲しい想いをさせていいのだろうか?」という声も出てきて、その時に立ち戻ったのが「全てのゲストに〝ハピネス〟を」という理念だったそうです。
そこから「では、どうすればいいのか?」を考えていき、振袖で来た人にも安全に乗ってもらえるようにして、全てのゲストを受け入れることができたという話があります。理念を現場で考えるという仕組み・習慣ができている組織だからこそだなと思います。

皆、価値観が違います。そういう人達が方向性を揃えて働くというのはなかなか難しい。私の前職のスーパー銭湯時代、買ったばかりのソフトクリームを落としてしまった男の子に新しく作り直してあげたスタッフと、「買った後でしょ、そこまでする必要あります?会社だって経費のことをあれだけうるさく言っているし!」というスタッフとで意見が衝突したことがありました。この時、「私たちの仕事はお客様を元氣にすること。お客様が喜んでくれることが一番!」という会社の方針が浸透していたならば、自然と答えは出たのではないでしょうか。
理念や社是をただ言うだけ、唱和させるだけでは浸透しない、理念、社是に一番コミットしているトップが社員に、「それはお客様のためになる?」「うちの理念にあってる?」と常に常に問いかけていくと、一人一人がそこに基づいて考えていくようになる、と齊藤会長も語られています。
おこがましいですが、「これは当社でもやっているな!」と嬉しくなったんです。私も常にそういうことをスタッフに問いかけるようにしています。

順境の時には気持ちが緩む。追い詰められないと知恵は出ない

もう一つ、齊藤会長の話しで、「やはりそうか!」と思ったのは「大きな目標を立てて、それに挑戦することが人間を成長させる。追い詰められないと知恵は出ない。人間はどうしても順境の時には気持ちが緩む」という言葉です。
齊藤会長は「工場を造ったものの大手企業に販路をおさえられ、ピンチを迎えたが、ならば〝大手がやらないところで勝負を〟という戦略に切り替え、それが会社の飛躍の一端となった」と語られています。追い詰められると必死になるし、知恵が出るものです。私自身、創業間もない頃、資金繰りに窮して、自分の貯えがどんどん減っていく中で「何が何でもやらなければ!」と追い込まれた時がありました。選択肢はなく、前に進まなければ未来がないという状況に追い込まれると、様々な知恵が浮かんできて、気が付いたら窮地を脱していました。
ところが、会社がある程度、軌道にのってきた時、自分自身に大きな負荷をかけ続けるのも苦しいし、成長しようとすればするほど、リスクも負わなくてはいけないし「あの創業当時の苦痛はもう味わいたくない」と、いつの間にか負荷から逃れようとしていたのです。だからこそ、理念と目標へのコミットメントが必要です。私の場合、ただ目標を設定しただけでは、自分に負けて、ゴール(目標数値)を動かしてしまうことがあるので、自分を追い込むという意味でも、目標を外部に発表しています。また、人財採用を先行して行うことで、やらなければならない状況に追い込むようにもしています。採用したからにはその人に対しての責任もあるし、その人を、その人の家族を幸せにしたいと思います。

大きな目標を立てて、それに挑戦することが人間を成長させる

社労士事務所は小規模な個人事務所が多いのですが、それでは規模のメリットが働きません。例えば、法改正情報を仕入れて、顧問先に向けて情報発信するにしても、100 社の顧問先に配信するのと 10,000 社に配信するのとでは、かけられるコストが違ってきます。お客様により価値あるサービスを提供するために、規模は追求しなくてはならないと考えています。今、顧問となっていただいている和田一廣先生との出会いも私にとって、とても大きなものでした。「この先生に教えていただいているからには、こんな程度でいてはいけない!」と「もっともっと!」と駆り立てられますし、「これだけ教えているのにまだここか…などと先生をガッカリさせるようなことがあってはいけない!」と必死にもなります。
齊藤会長の「失敗を未来の糧にするための知恵はなかなか出てくるものでもないし、苦しいけれど、そういうことが自分を成長させてくれる」という言葉の後には「大きな目標を掲げて、難しい中に飛び込んでそれを解決した時の喜びを皆に味わってもらいたい。挑戦の場をどんどん与えていきたい」と続いていました。
理念という目標に向かいながら、私自身も挑戦し続けて、社員たちにもその〝喜び〟をもっともっと知ってもらいたい!と思っています。

【社内木鶏会 感想文】

*人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。

<指定記事~ 『人生の四季をどう生きるか』>
人生を四季(青春、朱夏、白秋、玄冬)に例え、それぞれをどう生きればいいのかを説いている。一年の四季は繰り返し巡ってくるが、人生の四季は一度限り。人生の終焉がいつであろうと、士気を持って歩んでいくことが大切である。

<感想文>
人生を百年とすると、青春は二十五歳まで、朱夏は二十五歳~五十歳、白秋は五十歳~七十五歳、玄冬は七十五歳~百歳ぐらい。
今私は、青春をとっくに過ぎて朱夏の時代。白秋まではあと十年はありますが、それもあっという間に訪れるでしょう。青春時代に良い指導者を見つける事も出来ず、五木さんのように後の人生の肥やしになるような苦労を経験してきたわけでもなく、ただ自分は何をしたいのか?どの道に進めばいいのか?ずっと悩む時代でした。
そして今、朱夏の真ん中地点。青春時代の自分は何も残せていないとばかり思っていましたが、周りを見渡すと「傍を楽にするため」毎日一生懸命仕事に取り組む仲間がいました。これまでは青春時代の自分に対して何も成果が無かったなと、否定的な感情を持っていましたが、そんなことはなかったと実感した瞬間でした。
境野さんは三十歳になる頃には、「これは自分の仕事だと思えるものを見出せたらいいと思う」とおっしゃられています。三十歳はとっくに過ぎていますが、私は私のペースで、誰と比較することもなく、このまま歩んで行けば良いのかなと、これまでは誰かと比較して自分は全然ダメだと、マイナス思考になりがちな私が思えるようになったのも成長かな、と実感しました。
冒頭で述べたように、白秋まであと十年。長いようであっという間の十年。白秋の時期には立派な花が咲かせられるように、自分だけの体験、経験を活かし、明るく楽しく、プラス思考で毎日を歩んで行きたいと思います。
〔今月の選出感想文:下田 つかさ〕

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