
~代表・三輪康信からのメッセージ~
「思い続ける」
社内木鶏会感想文 & チアレッジタイムズ委員会より

「思い続ける」
「物の興廃は必ず人による。人の昇沈定めて道にあり(物が盛んになったり廃れたりするのは担当する人による。そして、その人が上昇する人生を生きるか、沈んでいく運命に陥るかは、その人が道にかなった生き方をしているかどうかによる)」
『致知』(2026 年2 月号)の巻頭記事にあった弘法大師空海の言葉です。
道にかなった生き方をするためにはどうしたらいいか…。それは幾多の様々な成功や失敗、困難と呼ばれるような状況を乗り越えてきた人に聞くのが一番です。そのお一人が松下幸之助さん。GHQ からの公職追放、何千人もの社員を抱える中、「会社解体の危機に直面」、大恐慌、目をそむけたくなるような逆境を乗り越えた中で掴みとった真理、その言葉には説得力があります。
「思う」ことの力──ダム式経営の逸話
松下幸之助さんが経営者向けの講演会で「河川の水をダムで貯めるように、資金や人材、設備など、あらゆる経営資源に余裕を持って経営する」ダム式経営の重要性を説かれていた時のこと。「ダム式経営の重要性は分かりましたが、どうすればダムができるのでしょうか?」という質問を受けた松下さんは「一つ確かなことは、まずダム式経営をしようと思うことですな」と答えます。
即効性のあるノウハウを期待していた参加者からは「思うだけで、できるんだったら苦労しない」と失笑が漏れます。ところが、その場には、まだ20 代前半だった稲盛和夫さんがいました。松下さんの言葉に「そうか、全ては思うことから始まるんだ!と電流が走るような衝撃を受けた」といいます。
思い続けることが一番難しい
「こうしよう!こうなるんだ!」、一瞬なら誰もが思います。でも、それを強くずっと抱き続けていくことは本当に難しいものです。松下幸之助さんや稲盛和夫さんのようにはなかなかいきません。
私自身、独立当初に「こうしたい!こうなりたい!」と強烈に抱いていた想いがあり、それは今もなお追い続けていますが、この15 年間を振り返れば、「もっと成長できたし、もっとやれた」と思います。
そういうタイミングもチャンスもありました。けれども、その高いゴールにたどり着くためには、急激な上り坂を上がり続けなくてはなりません。その苦しさ、大変さを経験していると、言葉では「あそこに行きたい」と言いながら、怖さもあり、心の中で「ここまででもいいかな」と思ってしまったんです。
松下幸之助さん、稲盛和夫さん、このお二人は「思い続ける」ことが傑出しています。致知出版社・藤尾秀昭社長の言葉をお借りすると「名経営者と呼ばれるような人は価値を見出す力と価値を信じ抜く力がある」ということです。
だからこそ思い続けられるし、しかも、そのハードルをいたずらに下げない、もしくはそのリミッターが壊れている人たちかなのかもしれません。「失敗したらどうしよう…」より、「これは面白いぞ」「どうすれば世の中に活かしていけるのだろう」といった前向きなことに思考が向いているのでしょう。
「道にかなった生き方」をするために
稲盛和夫さんの最側近として働き、薫陶を受けた大田嘉仁さんが上甲晃さん(松下政経塾の理事・塾頭、常務理事・副塾長を歴任)との対談の際に用意された「稲盛さんから学んだ言葉」から、いくつか引用させていただきたいと思います。
1. 善きことを思うのがすべての始まり・・・利他の心や、世のため人のために尽くそうとか、そういう善きことを思うのがすべての始まり(稲盛さんの人生観のベースとなる考え方)
2. 困難は愛の変形
3. 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
稲盛さんは、困難に出くわした時、これは成長のためのチャンスなんだと何度も何度も自分に言い聞かせて、どうにかそう思おうと努力されたのではないでしょうか。自分ではコントロールのしようもない問題が起こる中で悩み、考えながら、様々な言葉を自分の中でつくりだして心を高めていかれたのではないかと、私は勝手に思っているんです。
起こってしまったことであれば、どれだけ肯定的に解釈できるかしかありません。どんなに嫌でも文句を言っても、その出来事は変わらないのだから。
「素直」に・・・
ある時、松下幸之助さんは「僕もな、ようやく素直の初段になったんや」と口にされたそうです。「囲碁や将棋の世界では、1 万回指すとほぼ初段になると聞く。僕は365 日、毎朝、素直になりたいと願い続けて30 年、回数にしたら1 万回願ったから、初段や」と。
誰もが幸せになりたいと思って生きています。幸せになるためには、どうしたらいいのか。人の道にかなった生き方をすればいい。松下幸之助さんは死ぬまで「素直になりたい」と思い続けた方。「人の道にかなった生き方をするためには、素直な心が必要なんだ」と信じていたのでしょう。
稲盛さんは「『素直な心で』は幸之助さんから学んだ一番大切なこと」と話されていたそうです。
「道にかなった生き方」を体現した人物は近代の経営者だけではありません。二宮尊徳翁は「我が道は人々の心の荒蕪を拓くことを本意とす(自分の道は人々の心の荒れ地を開拓すること)」とし、人々に畑を耕させました。農業が発達して作物が多くとれると藩は潤います。「人の心の荒れ地を耕す」という「道にかなった生き方」が藩の復興につながったということです。
「素直な心で、人の道にかなった生き方を」とするならば、私は「優れたリーダーになるための道」をめざしたいと思います。思い続けます。思ったらできますから!あなたは何を思い続けますか?
【社内木鶏会 感想文】
| *人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。
<対談 松下幸之助と稲盛和夫> 松下幸之助と稲盛和夫。共に自ら立ち上げた会社を、一代で世界的な優良企業へと育てあげた名経営者である。二人はなぜ破格の業績を収めることができたのか。そして、いまなお多くの人々に人生の指針を与え続けている所以とは。 |
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<今月の選出感想文>
この記事を読んで強く印象に残ったのは、お二人が共通して大切にされているのは、経営手法や流行以前に、「人をどう見るか」「どんな心で人と向き合うか」という、非常に根本的な姿勢だという点です。
松下幸之助氏は、人は本来よくなろうとする存在だと信じ、稲盛和夫氏は、「人として何が正しいか」を判断基準にされてきました。この考え方は、経営者に限らず、私たち一人ひとりの仕事の向き合い方にも、そのまま通じるものだと感じました。
日々の仕事の中では、成果やスピードを意識するあまり、つい結果や数字に目が向きがちになります。しかしこの記事を読みながら、相手をどう見ているか、どんな前提で接しているかが、仕事の質そのものを左右するのではないかと考えさせられました。
特に心に残ったのが、「流行りを追うな、真理を追え」という言葉です。手法や流行は変わっても、人の心は大きくは変わらない。だからこそ、表面的な結果ではなく、人が何を感じ、何を大切にして働いているのかという「真理」に目を向け続けることが重要なのだと思います。
仕事の真理とは、つまり「人」そのものです。人が幸せを感じながら働いていること。利益や成果は、それを大切にした結果として、後からついてくるもの。社会人として仕事をする上での基本は、常に人の心に立ち返ることなのだと、この記事から学びました。
〔労務チーム:寺田 光太郎〕
【人の動きが多い季節に】
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3 月は、退職や異動、入社準備など、人の動きが多い季節です。環境の変化に伴い、事業主様・ご担当者様におかれましては、日々の業務に加えて、さまざまな対応が重なる時期かと存じます。 一つひとつの手続きは、新しいスタートにつながる大切なものです。慌ただしい時期ではございますが、少しでも安心して新年度を迎えていただけるよう、私たちも丁寧にサポートしてまいります。ご不明な点や気になることがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。 |
















