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投稿日:2024年8月1日

2025年4月、改正育児・介護休業法が施行されます

男女ともに仕事と育児・介護の両立ができるようにするため、育児・介護休業法が改正され、2025年4月と10月の2段階で施行される予定となっています。2025年4月1日の施行では、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充、介護離職防止のための両立支援制度の強化等を目的とした改正となっています。そこで、今回は2025年4月1日から施行されるとなる措置について確認してきます。

1.所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大

現行では、「3歳に満たない子を養育する労働者」は請求により所定労働時間の制限(残業免除)を受けることができますが、改正後は「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」まで請求可能となり、対象労働者の範囲が拡大されます。

2.子の看護休暇の見直し

子の看護休暇は、名称、対象となる子の範囲、取得事由、労使協定により除外できる労働者の範囲の4点について改正されます。
現行では、子の看護休暇の対象となる子は「小学校就学始期までの子」とされていましたが、今回の改正で「9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子(小学校第3学年修了前の子)」に拡大されます。
また取得事由についても、病気やケガ、予防接種・健康診断に加え、あらたに感染症に伴う学級閉鎖等と入学式や卒業式といった行事等への参加が追加されます。このように子の看護以外の事由も加わったことで、名称も「子の看護等休暇」に変更となります。
さらに、現行では、①勤続6か月未満の労働者、②所定労働日数が週2日以下の労働者、③業務の性質上、時間単位で休暇を取得することが困難な労働者については、労使協定を締結することによって制度利用を対象外とすることができましたが、改正により①の除外要件が撤廃されます。
なお、この除外要件は介護休暇についても同様に①が撤廃されます。

3.育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大

現行では従業員数1,000人超の企業に対し義務付けられている育児休業取得状況の公表ですが、改正により従業員数300人超の企業に義務付けられます。
なお、経過措置がとられており、施行日以降に開始する事業年度から適用開始となります。

4.テレワーク導入の努力義務化

今回の改正であらたに、3歳未満の子を養育する労働者に対する「在宅勤務等」の導入が努力義務として追加されます。また、育児短時間勤務の代替措置にも「在宅勤務等」が選択肢として追加されます。
他にも、介護中の労働者についてもテレワークが選択できるよう事業主の努力義務が追加されます。

5.介護休業等に関する制度等の個別周知・意向確認と早期の情報提供、雇用環境整備が義務付け

介護に直面した労働者が、仕事と介護の両立支援制度を利用できるよう、個別の周知と介護休業取得の意向など確認することが義務付けられます。
個別周知や意向確認について具体的な方法はまだ示されていませんが、育児休業と同様に面談や書面交付などによることになるでしょう。また、介護に直面する前の早い段階(40歳)で両立支援制度等に関する情報提供をすることが義務付けされます。
その他に、介護両立支援制度等を利用しやすい雇用環境の整備として、研修の実施、相談体制の整備などの措置を講じなければならないこととされます。

今回の改正に伴い、就業規則の変更や労使協定の締結についても見直しが必要となります。施行は8か月先ですが、必要に応じて専門家に相談するなど早めに準備をする必要がありそうです。


赤枠の範囲が2025年4月施行となる部分です。

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