
~代表・三輪康信からのメッセージ~
「人は育つもの」
社内木鶏会感想文 & チアレッジタイムズ委員会より

人は育つもの
人間学を学ぶ月刊誌「致知」の2026 年5 月号のテーマは『人を育てる』でした。その中の『我が矯正人生』と題した記事で元刑務官・亀井史巠さん(第42 代横浜刑務所長)が紹介されていました。
亀井さんが「とりわけ心に残っている」と語っていたのが死刑囚S。刑務所の中で生まれ、携帯乳児として1 年間を母親と共に刑務所内で過ごした後、祖母に育てられ、生活苦から学校に通えず文盲となり、正業にも就けず、年老いた祖母を養うため盗みを繰り返しました。犯罪は次第に凶悪化し、死刑判決。入所手続き中の「怒髪天を衝く形相はまさに鬼、猛獣そのものだった」といいます。
S の遺書にあった言葉
凄絶を極めた生い立ちから社会を恨み、「検事や裁判官をいつか自らの手で殺害する」。S の頭の中は、その一念。それでも亀井さんは「私ができることは、毎日30 分から40 分の運動時間の一部を利用して、人間としての心を持たせる働きかけを行うこと。まずはどうしたら心を開いてくれるかを四六時中考え続けました」と語られています。
亀井さんはS に「挨拶」という文字を書いて、「これは心を開いて相手に近づくという意味だ」「何かしてもらったら、必ずありがとうございますと感謝の気持ちを表すのだよ」などと伝え続けました。
S にも亀井さんの人間としての温かみが伝わったのでしょう。「よい返事をしたな」という亀井さんに、「そりゃ、先生が大きな声でおはよう言うてくれたけんよ」と照れ臭そうに答えるんです。「この人は自分をちゃんと人として見てくれる」。心を許せる人に初めて出会えたのだと思います。
亀井さんがS と別れて6 年後、死刑が執行されます。その遺書は文盲だったことを疑わせるほどの美しい毛筆の文字と洗練された文章で被害者への謝罪から始まり、悲痛なまでの悔悟の念が綴られていました。
そして亀井さんや祖母への感謝の気持ちをしたため、刑務所で自分を産んだ、憎みに憎んでいた母に「人の愛、生きる幸せを実感できる命をくださって、ありがとうございました」と感謝の極みともいえる言葉を書き綴っていたのです。
この人の言葉だから聞きたい
仕事とは厳しい世界です。真剣勝負であり、容赦ないフィードバックが返ってきます。上司としては「ここは見過ごせない」とアドバイスだけではなく、厳しく指導しなくてはならない時もあります。親は子に、上司は部下に、少しでも良くなってもらいたい、成長してもらいたいと思うから、あれこれ言いたくもなるでしょう。でも、その言葉、届いていますか?
何より大事なのは、相手がこちらの言葉を受け入れてくれるかどうかを見極めること。それをないがしろにして自分の言いたいことだけを伝えようとしても、相手には届きません。どんなにその人のことを思って言ったにしてもです。
私自身を振り返ってみても、「この人の言うことは素直に聞ける」、むしろ「何を言ってくれるんだろう!」とワクワクしながら、「ふとした一言すら聞き逃したくない!」と思う人もいれば、同じようなことを言っているのに全く耳に入ってこない人もいました。
感謝し、尊敬している人の情報は進んで取りにいくもの。「この人の言葉だから聞きたい」と思ってもらえる関係性を築くこと。それが全ての始まりです。
人が育つ一番の出発点は
「あそこは人がよく育つ」という組織があります。その違いは、私はリーダーの在り方にあると思うんです。リーダーが部下を肯定的に見ている組織では、部下もまた「この人から学びたい」と感じるもの。ならば、少しでも「この人からの言葉をもっと受け取りたい」と思われるリーダーになること。自分の在り方を正して、関わり方を変えていく。「懐に入る」まで行かなくても、まずは相手を否定せず、肯定的に話を聞きながら信頼関係を築いていくことが先。ものを言うのはその後です。
残念ながら、力でねじ伏せることで成果を上げ、そんなやり方をよしとしている人がリーダーとなっているケースがあります。威嚇や恫喝で、その場では言いなりになっていても、それは恐怖で従っているだけ。それでは人間関係を壊してしまいます。「なんで、できないんだ!」と叱責したところで、ますます心を閉ざされるだけですから。
「人は自ら育つもの」
「人は育てるものか、育つものか」とよく問われます。私は「人を育てるなんておこがましい」と思っています。S の場合、誰も信じることができず、誰に何を言われても何もかもが「自分への否定」としか受け取れなかった。「どうせ俺なんか」と、思い続け、また、そう思わされ続けてもきたのでしょう。それでも最後に「産んでくれてありがとう」と自分の人生を肯定的に受け止めることができました。
なぜ、変われたのか。その第一歩は「この人の言葉を受け取りたい」と思えた人に出逢えたこと。亀井さんって人材育成の神様のような人です。どんな人にもその人なりの可能性を見出し、まずは心を開かせることに努め、その想いが通じ、S の心は解けていきました。
そして、亀井さんの言葉をもっと受け取りたい、変わりたいと願い、成長していくことができたんです。人が育つ一番の出発点は「この人から学びたい」と思える関係性を築くこと。それがあって初めて人はその言葉を受け入れ、自ら成長していけるようになる。肯定されることで、自分を肯定できるようにもなる、それも大きな支えです。お二人の姿から、そのことを改めて教えられました。
【社内木鶏会 感想文】
| *人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。
<対談 己を磨いた分だけ人を育てることができる> 東洋古典『大学』は人の上に立つ者の心得として「己を修め、人を治める」を説く。人は己を修めた分だけ、人を感化し育てることができる、ということだろう。ここにスポーツの世界において、それぞれ長年にわたり数々の選手やチームを育成してきた名指導者がいる。井村雅代さんと岡田武史さん。共通点が多く、互いに尊敬するお二人が軽妙かつ本音で語り合った「リーダーのあり方」「チームづくりの要諦」。 |
![]() |
<今月の選出感想文>
今回の記事を読んで、一番心に残ったのは「人を育てる前に、まず自分自身を磨かなければならない」という言葉でした。子育てを振り返ると、子供が小さい頃は「こうしなさい」「ああしなさい」と言葉で伝えることが多くありました。しかし成長するにつれ、子供は親の言葉以上に「行動」を見ているのだと感じる場面が増えました。挨拶をすること、人への接し方、約束を守ることなど、親が当たり前にしていることは自然と伝わりますが、自分ができていないことは、どれだけ言葉で伝えてもなかなか響かないものです。
記事の中で語られていた「当たり前のレベルを上げる」という考え方はチアレッジでも耳にします。特別な才能や能力ではなく、日々の小さな積み重ねが人を作るということです。そして振り返れば、私自身も子供たちに何かを教えてきたというより、一緒に成長させてもらったという気持ちが強いです。子供に伝えたい!と思ったことほど、自分自身ができているかを問われてきました。
お二人のお話から、厳しさの根底にある「信じる力」の大切さも感じました。人は信じてもらえることで頑張れるし、期待されることで成長できる。つい心配が先に立ってしまいますが、子供の可能性を信じることこそが大切なのだと改めて感じました。
今、子育ての話をしましたが、社内でも同様です。人を育てるというとまた別の特殊技術が必要なように思いますが、実は自分自身を磨き続けることが一番の近道なのかもしれません。子育ても仕事も終わりのない学びです。だからこそ、自分が少しでも成長し続けることで、周りの人に良い影響を与えられる人でありたいと思いました。
〔労務チーム:大塚 祥恵〕
【チアレッジ公式マスコット「チアぴよ」】
![]() |
なんとこの度、チアレッジの公式マスコットが登場いたしました!名前は「チアぴよ」といいます! 「チア(応援=Cheerage)+ぴよ(小鳥)」から名付けられました。 皆様のビジネスの発展を願い、はたらく人に元氣(エール)を飛んで届けます。今後、HPや名刺など、様々なところで登場する予定です♪ 皆様に「チアぴよ」がお目にかかれる日を、私共も楽しみにしております。 |
















