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代表三輪のコラム

投稿日:2026年9月1日

No.53〝没頭〟が生み出すもの

~代表・三輪康信からのメッセージ~
「〝没頭〟が生み出すもの 」
社内木鶏会感想文 & チアレッジタイムズ委員会より

 

〝没頭〟が生み出すもの

「かくして日本発の新薬は誕生した~アトピー性皮膚炎治療薬の研究開発に懸けた執念と創意」(「致知」2026 年8 月号記事)にとりあげられていた椛島健治さん。
その歩みから私が強く感じたのは、目の前の仕事に没頭することが、やがて道を拓き、大きな成果につながっていくということです。

始まりは興味、関心からだった

アメリカ留学から戻ってきた椛島さんは北九州にある産業医科大学に助教授として赴任されました。普通なら都落ちのように受け止めそうですが、「全然、苦にならず、非常に前向きに」臨まれます。朝から夕方の5 時頃までは外来や病棟で臨床の現場に携わり、夜は研究に没頭する。この時の経験が二つの創薬につながっていったのです。
最初から椛島さんに「副作用の少ない治療薬を開発して、数百万人の患者さんを救う」という目的があったわけではありません。「「様々な能力を併せ持ったスーパー臓器」「人体最大の免疫器官」である皮膚への興味、関心から始まったと言います。
それでも皮膚を搔きむしり、薬の副作用に苦しむ患者さんと接し、研究に没頭するうちに「この薬を開発できれば、世の中が変わるかもしれないと本気で思うようになった」のです。
創薬の一環で、皮膚のバリア機能を回復させるために重要な役割を果たすタンパク質の一種を誘導する化合物を見つけ出す、そこだけに3 年かかったそうです。まず3 年間、成果が出なくても研究させてくれる環境があったということに驚きました。
研究に向かう姿勢や能力、人間性が様々な人に評価される中で、その環境が与えられたということです。「自分のためだけだったらモチベーションもわかなかったし、踏ん張れなかった」とおっしゃっていますが、与えられた環境の中で、ひたすら臨床と研究に向き合い続けた。そうした積み重ねが周りの人の協力を生み、道を拓いていったのではないでしょうか。

困難であればあるほど楽しむ心が大切だ

椛島さんが常に心掛けているのは「どんな逆境も楽しむ」ことでした。私もマラソンをしているので、とても共感した椛島さんの言葉があります。
「普段の練習やトレーニングはしんどいけれど、ゴールした時の達成感、そしてその後に飲むビールが美味しいから耐えられる。嫌なことがないと人生は面白くない。勝負ごとも負けるからこそ勝った時に嬉しい。困難であればあるほど楽しむ心が大切だ」と。
走り終えた後の達成感、爽快感は味わった人にしか分かりません。苦しいだけでは続きませんが、苦しいことがあるから楽しいことが際立つ、人生とは相対的なものです。
椛島さんは「成功の三条件として『運、鈍、根』がある。失敗の経験が多いほど、運の確率は上がっていく。失敗はものすごく楽しい。失敗して終わりというのはもったいない。なぜ失敗
したのか、そのプロセスを検証して、改善策を見出し、日々、実践を積み重ねていくんです」と語られていました。思う通りにいかなくても前に進む力、肯定的な解釈の力を感じます。
また、「働き過ぎはダメだという風潮があるが、プロの世界はそんな甘いものじゃない。アメリカ人は働かないとか言うが、トップクラスはものすごく働く。世界中から一番になろうと思っている人が集まってくるから。要するに仕事や研究は戦いで、負けるわけにはいかないんだと教えてもらいました」ともおっしゃっていました。

精進の中にある深い喜び

『人生の法則』(藤尾秀昭著、致知出版社刊)から印象深い一節を紹介させてください。
「鉄砲撃ちの名人は遠くの獲物も一発で仕留める。弓の達人も、的のど真ん中を射抜く。狙った対象と一体になっているからである。そういう腕はどこから生まれるのか「( 中途略)、寝ても覚めても仕事のことを考える。修練する、鍛錬を重ねる、その絶え間ない繰り返しが、いつしか人を対象と一体化する高みに押し上げるのだ。それは苦しく辛い営みだろうか。そうではない。名人達人の域に達した人たちが等しく抱く感慨がある。『精進の中に楽あり』
人生の真の楽しみは、ひたすらな努力、精進の中にこそ潜んでいる。それはレジャーや娯楽から得る安逸な楽しみよりもはるかに大きく深い、人間の根源から湧きおこる楽しみである。その楽しみを知っているのが名人達人である、とも言える」
〝その楽しみ〟とは、没頭しているからこそ湧きおこるものではないでしょうか。

没頭するからこそ得られるもの

椛島さんも最初は「皮膚という臓器」への興味から始まりました。患者さんとの出逢いの中で使命感が生まれ、研究に没頭し、試行錯誤を重ねます。その日本発の新薬が生まれるまでには千回以上の失敗があったと言います。
まずは興味、関心のあることに没頭してみる。趣味でもよいのですが、やはり仕事だからこそ得られるものがあります。お金をいただく相手から「払った金額以上の価値があるかどうか」が表情、言葉、態度を通してドラスティックに突きつけられ、より真剣になれますから。
より価値の高いものにするため、完成度を高めるため、あきらめずに工夫を重ねる。最後まで執着する。没頭していればこそ、もっと良くしたい、もっと価値のあるものを生み出したいという探求心や向上心が生まれるし、深く向き合うからこそ、安逸な楽しみとは違う確かな手応えと喜びが得られるのだと。私自身、そのことをとても強く実感しています。

【社内木鶏会 感想文】

*人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。

<対談 企業の盛衰はリーダーにあり>
最下位クラスだったキリンビールの高知支店を短期間で常勝チームへと変革し、アサヒビールからシェア一位を奪還、現在はその経験をもとに様々な企業のアドバイザーとして活躍する100 年プランニング代表の田村潤氏。第一勧業銀行(現・みずほフィナンシャルグループ)や西武グループの経営再建に力を尽くし、いま商工組合中央金庫の改革に奮闘する関根正裕氏。お二人が語り合う組織と人財を甦らせる要諦、変化の時代に求められるリーダーの条件とは――。

 

<今月の選出感想文>

今回、田村潤氏と関根正裕氏の対談「企業の盛衰はリーダーにあり」を拝読しました。現場に足を運び、お客様の顔を見つめ直し、社員一人ひとりの声に耳を傾ける「現場主義」と「人財重視」の姿勢こ
そ、見習うべき美点だと感じました。
私はこの対談からの学びを、自身の仕事に二つの点で生かしていきたいと考えます。第一に、「すべては現場に答えがある」という姿勢の徹底です。日々の業務に追われていると、ついデータや憶測だけ
で物事を判断してしまいがちですが、これからは自ら積極的にお客様の課題に踏み込み、一次情報に基づいた本質的な課題解決に取り組む意識を持ちます。
第二に、「自分自身が自分の持ち場のリーダーである」という当事者意識を持つことです。役職の有無にかかわらず、周囲と信頼関係を築き、「なぜこの仕事をするのか」という目的を共有しながら進め
ることで、チーム全体にポジティブな影響を与えられる存在になりたいと強く感じました。上手くいかない理由を環境や他人のせいにする「他責」の念を捨て、自らが起点となって変化を起こす存在でありたいと思います。
「企業の盛衰はリーダーにあり」という言葉は、そのまま「人生の盛衰は自分自身にあり」と置き換えることができると感じました。自分の人生の舵取りを他人任せにせず、確固たる信念を持って生きる
ためには、不断の自己修養が欠かせません。お二人が圧倒的な修羅場をくぐり抜けながらも、常に謙虚さを失わず学び続けてこられたように、私もまた、日常の困難から逃げず、人間力を磨き続ける姿勢を持ちたいと思います。
〔労務チーム:三堀 乃利行〕

【備えあれば憂いなし】

7 月の熊本地震、8 月の千葉豪雨と、この夏は自然災害のニュースが続きました。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
近年、想定外の自然災害が頻発する中、企業にはこれまで以上に実践的な防災対策が求められています。会社には、従業員の命と安全を守る「安全配慮義務」があります。災害発生時、従業員を安全に帰宅させる、あるいは社内に待機させる判断基準は明確でしょうか。避難経路の確認や防災訓練の実施だけでなく、有事の際の労務ルールを平時から整えておくことが、企業の重要なリスク管理に繋がります。災害に強い組織づくりに向けて、チアレッジでは全力で伴走させていただきます。本格的な秋の訪れを前に、皆様におかれましてはどうぞ健やかにお過ごしくださいませ。

 

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