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代表三輪のコラム

投稿日:2024年3月25日

No23 短期の悲観、長期の楽観

~代表・三輪康信からのメッセージ~
短期の悲観、長期の楽観
社内木鶏会感想文 & チアレッジタイムズ委員会より

短期の悲観、長期の楽観

私は実践哲学者であり、教育者でもあられた森信三先生の「修身教授録」を何度も何度も読み返していますが、そのたびに発見があり、心にしみ入ってきます。その森先生は「2025年になったら、日本は再び立ち上がるだろう。2050 年には、列国は日本の底力を認めざるを得なくなるだろう」と予言していました。私はこの言葉に勇気をもらっていて、そんな兆しもあるような気がしているんです。
一方で、米テスラ CEO のイーロン・マスク氏が 2022 年に「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう。これは世界にとって大きな損失となる」と述べて話題になりました。

自己肯定感が低い日本人

「今の日本人は自己肯定感が低い」と聞きます。これは愛国心のなさと直結しているとも言われています。統計をみると、先進国の中でもとりわけ日本人は自分の国のことを嫌いな人が多い。会社が嫌いなら転職すればよいですが、国はそうそう変えられません。嫌々その国にいることが民族肯定感、自己肯定感の低さにつながっていたり、「日本は悪いことをしてきました」と教えるような学校教育にも一因があるかもしれません。
でも、そういうことに流されることなく、自分が所属している一番大きな組織、国のいいところを探していくことで自己肯定感につながっていくのではないでしょうか。

目の前のやれること、やるべきことに全力を尽くすから明るい展望がもてる

自己肯定感の低さがそのまま将来の悲観につながってしまっていると言えなくもないのですが、京都大学大学院の中西輝政教授は「人がことに処する上で大切なことは、目の前のことは悲観的にとらえて、堅実に手をうっていく。しかし未来に対しては腹の底から大きな楽観を持てるよう常に心を整え、物事を大きくとらえるようにする。この組み合わせが大切であり、大事な心の在り方だ」とおっしゃっています。
ところが「今の日本人はこれが逆転してしまって、短期的には抵抗の少ない道を選び、易きに流れる。だから当然、長期的には素直に楽観できない心の静穏をかいてしまい、自虐的な悲観論に陥ってしまう。この心理が少子化や地方の活力衰退に及んでいる」とありました。
これを読んでいて私は、自虐的な悲観論だらけなのも「短期的に易きに流れているから。全力を尽くしていない自分が、自信のなさに、悲観論に行き着くのではないか」と感じました。つまり、短期的には抵抗の少ない道を選び、易きに流れると長期的に不安しか残らない。楽な方と、辛い方があれば辛い方を選ぶ。全力を尽くしてやっていけば、自分の長期的な展望は明るい方に向かっていくということではないか。全力を尽くさずに「あれをやっていなかった…」なんて気にしているから、自信がなくなって悲観をしてしまうということに繋がっていくのではないかと。

とかく人は長期よりも短期に、全体よりも部分に目がいく

長期の視点に立つから、電車の中でスマホでゲームするのではなく、本を読もうって思えます。長期の視点に立つから「この勉強が必要だ」「自己投資しよう」となっていきます。
今のひとたちには、この「長期の楽観」が圧倒的に足りていないのではないかと感じています。希望がないからなのでしょうか。短期的よりも長期的に物事を考えた方が発展するし、部分的よりも全体的に物事を考えた方がいいのも理(ことわり)です。
ところが、長期的な視点で物事を考えていくことって、普段の生活の中であまりありません。忙しければ忙しいほど目の前のことで忙殺されていって時間が過ぎていってしまいます。それに、とかく人間の思考は長期よりも短期に向かうし、全体よりも部分的に向かいがちです。だからこそ、そういうことを意識して「短期的よりも長期的、部分よりも全体的に広げていくように」という投げかけをリーダーはしていかなければいけないのでしょう。

長期の視点に立つから希望も生まれる

高度経済成長期はみな「世の中はどんどん良くなっていく」と、希望に満ち溢れた人が多かったから、長期の楽観に立って、必然的に努力とか自己投資とか、そういうことにつながっていったのでしょう。稲盛和夫さんも「楽観的に構想し、非観的に計画し、楽観的に実行する」とおっしゃっていました。未来に対して、皆の心に勇気が湧いてくるような言葉で長期の楽観を示し、希望を与える言動を示せる人が優れたリーダーと言えます。
「商談、断られました」と部下が落ち込んでいたら「なぜ、断られたのか、それを分析して次に活かそう。この経験は君の財産だよ」と長期的な目線に切り替えていくと楽観に変えられます。私はスタッフたちに「当社が取り組んでいる DX 化は、時流にも乗っている。『これからは心の時代だ』と言われる中、その人の心を大切にする経営をやっている。我々はどんどん社会から必要とされていく」と語りかけています。
その中で、「短期的には今、足りないところはここだよね」「これだけギャップがあるよね」と短期の悲観を入れながら、やるべきことをやって解決していくことに力を注ぐ。個人も組織も「成長へのチャレンジ」には「短期の悲観」と「長期の楽観」どちらも必要です。「まだまだここが足りてない…」と短期的悲観は入れながらも「長期的には明るい展望が開けている」「こんなに良くなっていく」と希望を語り続けていきたいと思っています。

【社内木鶏会 感想文】

*人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。

<指定記事~ 「現場力こそが企業発展の鍵」>
二十期連続の増収を続ける広島市信用組合 理事長の山本明弘氏と、多くの一流企業を再生・発展に導いてきたコンサルタント 遠藤功氏の対談。
両者が大事にしている「現場力」を高めるうえで大事なものはなにか、豊富な経験を交えて語り合う。

<感想文>
前職時代は、組織マネジメントの事ばかり考えていたので、いろいろと考えさせられた対談でした。特に、会社のパーパスと個人のパーパスがシンクロした時にはじめてイキイキと働けるという点に深く納得させられました。そして、同時に思い出したのは、この2つを上手くリンクさせられる人とそうでない人がいたという事です。恐らく、私自身はリンクするのが上手いタイプだと思いますが、思い返すと、部下に対してはうまくリンクできるようなヒントを授ける行動や言動が不足していたと反省しました。会社のパーパスの中には必ずリンクするマイパーパスが誰しも一つはあると考えます。部下自身がそれを探して自らリンク出来るよう促す事が、部下育成の根本なのではないかと感じました。
それから、「価値を生み出しているのは現場」という考えにもハッとさせられました。会社の価値は、一部の人間だけでは生み出せず、社員全員で生み出すものであり、全社員が大事な仕事を担っています。改めて、自身の行動、言動、スキルが会社の価値を決めている事に身が引き締まる思いを持ったと同時に、日々丁寧にお客様と向き合っている同僚にも感謝の気持ちが高まりました。
チアレッジの社員一人一人が積み上げてきた我が社の価値をより一層高められるよう、自身も成長していきたいと思いました。
〔今月の選出感想文:小掠康代〕

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