オンラインチャットお問合せ お問合せ

代表三輪のコラム

投稿日:2026年6月1日

No.50 「良い人か、悪い人か、ではない」

~代表・三輪康信からのメッセージ~
「良い人か、悪い人か、ではない」
社内木鶏会感想文 & チアレッジタイムズ委員会より

 

良い人か、悪い人か、ではない

思う通りの成果が出ないのはなぜだろう―そう思うことはないでしょうか?最近読んで、「まさしく!」ととても腑に落ちた本が『なぜ、あなたのチームは疲れているのか?』(櫻本真理著、ダイヤモンド社刊)です。本書の主題は、「成果が出ない背景には心理的リソース(奮起するための心のエネルギー)の消耗があり、その原因を見極めて取り除けばチームは元気を取り戻せる」でした。

一番の根源は心理的リソースの枯渇

心理的リソースは、満ちていればパフォーマンスを押し上げ、枯渇すれば落ちる――しかも、回復しないまま使い続ければ、やがて尽きてしまう有限の資産。私たちは常に、心に負荷のかかる活動のなかで、その資産を絶えず使っている」のだと。まさに目から鱗が落ちる思いでした。
心理的リソースの容量は人によって違います。夫婦喧嘩や親子喧嘩、あるいは近隣とのちょっとした不和でも心のエネルギーは削られます。ましてや仕事で失敗をして、厳しいフィードバックを受け、自己嫌悪に陥ったとなると、それはかなりの消耗につながります。
上司が気難しい顔をしているのもそう。反対に上司からの「君ならできる!」という過剰すぎる期待も、精神的負荷となり、その人の余力を奪ってしまうそうです。リーダーならチームのパフォーマンスや生産性を上げたいと誰しもが思うでしょう。でも、なかなか思うような成果が出ないといったことがあるのではないでしょうか。毎週のミーティングでノルマの進捗を管理し、プレッシャーをかけていくマネジメントがあります。容量が多い人はそういう中でも成果を出せますが、少ない人は消耗して、力が発揮できず、最悪の場合は退職に至ることもあります。
トップにいる人は、元々その容量が大きく、さらに大きくしていこうという気概もあるでしょう。でもそれを基準にしてしまうのは危険です。容量は人それぞれ。その時の状態によっても違います。
その人の「心のエネルギー量」を慮り、それに応じて、仕事を振っていく。この本を読みながら、私自身、その部分の配慮が足りなかったのではないかとハッとさせられました。

性格ではなく状態を見る

「人は、心理的リソースが満たされている時は良い人に、枯渇している時は悪い人になる」、特に深く私の胸に刺さった言葉です。良い人がたくさんいるから良い会社というわけではない。そもそも、良い人か悪い人かという話ですらないのかもしれません。私たちが〝性格〟だと思っているものの多くは、実は〝状態〟によって左右されている可能性があるからです。
部下がミスしたら、単純なミスであればあるほどムッとするし、「気が緩んでいたんじゃないか?」などと小言の一つも言いたくなります。でも、厳しいフィードバックをしたところで、さらに負担をかけ、その人の回復は遅らせるだけ。「これは心理的リソースの枯渇によって起こってしまったのかもしれない」、そう考えると、相手の見え方も接し方も大きく変わるのではないでしょうか。
チャージ量が数字で測れたらいいのにって思います。もし残量が見えたら、「今、この人は少ないんだな。負荷を落としてあげよう」とか対策できますし、「疲れているんだね。回復の泉に行っておいで」なんて言ってあげたりして。

心理的リソースを回復させる

ミスが起きたり、パフォーマンスが落ちる大きな原因がリソースの消耗にあるならば、まず考えなければいけないのは、その回復です。もちろん、ミスには向き合わせなければいけないし、問題は絶対にあぶり出さなければなりません。PDCA のサイクルも回さなければなりませんから。
しかし、一緒に向き合うとか、一部引き受けてあげるといった接し方をしていくことで、結果としてその人のみならず、チーム全体のパフォーマンスも生産性も上がっていくのではないでしょうか。社長も人間ですから、どうしても暗い顔をしたり、溜息をついてしまう時もあります。でも、リーダー、とりわけ社長の影響力は、本人が思っているよりずっと大きい。そんな様子を見せるだけで周囲を消耗させ、チームの生産性を落としていきます。
トップこそまずは自分の心理的リソース量を増やしていかなければなりません。そのために、以前このレポートでも触れましたが、「当たり前の基準を下げること」も忘れてはいけないと思っています。足りている自分に気づき、様々なことが『有難く』見えてくるからです。

どうしたら増えていくのか

心の充電スタンドを持つこと。早寝早起き、規則正しい生活をすることで身体のコンディションも整います。ランニングなどの運動には脳細胞を活性化させたり、ストレス耐性をつくるといった効用があることも実証されているそうです。
掃除をすれば、すがすがしさを感じます。自分の行動の結果がすぐに目で見えるので達成感があります。プラスの言葉を使うこともそう。自分の言葉を一番近くで聞いているのは自分です。「疲れたな」を「充実しているな!」と置き換えてみると、だいぶ違ってくるかもしれません。
心理的リソースを増やせる人をリーダーに据えていくと周囲はイキイキしていきます。当然、チーム自体もよくなっていきます。弊社で行っている「人間力向上研修」も「心理的リソース」という視点に紐づいたものであったことを改めて気づかされました。
能力や性格で判断するのではなく、「今、この人はどのような状態なのだろうか」という視点を持つ。それが良い組織づくりの第一歩になっていくのではないでしょうか。

【社内木鶏会 感想文】

*人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。

<対談 組織を伸ばす経営のあり方>

日本で初めてソフトクリームのビジネスを立ち上げた日世と、漢方薬のパイオニアとして知られるツムラ。共に国内で圧倒的なシェアを獲得し、既に確固たる地歩を築いた両社に、それぞれ新たな成長の道筋をつけてきたのが、岡山宏氏と加藤照和氏である。世代を超えてお互いを尊敬し合うお二人の原点、そして各々が事業に懸ける思いとは。

<今月の選出感想文>

対談の中で、松下幸之助氏の本で説かれている言葉が紹介されている。『経営理念は氷のようなものだから、これを水に溶かして社員に理解させ、次の代に一滴も漏らさず手渡せるようにまた凍らせること』という言葉だ。つい最近、静岡のお寺でご住職から聞いた法話にも、氷と水を比喩につかわれていたので、余計に自分の中にすっと入ってきた。
私は経営者ではない。だが会社に属する以上、会社の理念は現場の最前線である私たちが体現しなければいけないと思う。そのために氷を水にしていただいている時には、こちらも受け取る準備が出来ていないといけない。
また、氷を水にするのは、日々の業務にも置き換えられる。理念を浸透させるには百万回でも同じことを言い続けないといけないとあるが、実務でもそうだ。それを行うことによって何に繋がるのか、また行わないことで何が起こるのかを言い続ける。
私は未熟で、まだまだ教わりながらも、後輩へ教えていく立場になっている。伝わらない、そんな時は氷を水に出来ない自分に反省する。きっと別の氷の溶かし方があるのだろう。溶かし方がわからない時には、まわりには人生の先輩方がいる、聞けばいい。人は1 人に育てられているわけではない。だから育てる側も気負い過ぎなくてよいとも思う。経歴・年齢関係なく、フォローし合える環境にしていきたい。そんな気持ちのため、普段私がコミュニケーションという大義で少々騒がしいのは目を瞑っていただきたい。
〔労務チーム:大井 美樹〕

【雨の季節に、じっくりと根を張る】

各地で梅雨入りの便りが聞かれる季節となりました。
雨が続くと少し気が滅入りがちですが、鮮やかに咲き誇る紫陽花の姿にはふと心が洗われます。この時期の長雨は、植物たちが夏に向けて力強く根を張り、大きく成長するために欠かせない「恵みの雨」でもあるそうです。
この春、新しい一歩を踏み出した方々も、少しずつ日々の業務に馴染んできた頃ではないでしょうか。目に見える急激な変化はなくても、この時期にじっくりと蓄えたエネルギーが、やがて大きな成長へと繋がっていくはずです。焦らず、温かく見守る眼差しを大切にしたいですね。
ぐずついた天気が続きますが、皆様どうぞ体調を崩されませぬよう健やかにお過ごしください。

 

-代表三輪のコラム