~代表・三輪康信からのメッセージ~
鴨居と障子
社内木鶏会感想文 & チアレッジタイムズ委員会より
鴨居と障子
さだまさしさん、道場六三郎さん、矢沢永吉さん、この方々に共通しているのは、とてつもない逆境を経験されているということ。さだまさしさんは、映画製作のため、30 歳手前で28 億円の借金を背負い、矢沢永吉さんは、世界進出のための一環で出資した物件を古くからの友人でもあった人物に融資の担保に利用され、残ったのが 35 億円の借金。道場六三郎さんは 30 代半ばの時、住み込みで働いていたお店の経営者に「うちの重役に」と持ちかけられ、コツコツと貯めていた 500 万円を貸すのですが、1 年後、その会社は潰れます。当時のお金ですから大変な価値があったと思いますが、結局、1円も戻ってこなかったそうです。
「騙された」と相手を責め、「こんなにひどいことをされた!」と被害者意識、マイナスの感情に囚われてしまうのも当たり前です。それに「オレだけの責任じゃない!」とか、「周りからいいように言われて、騙されたんだ!」と言い訳も何万通りも出てきます。
マイナスに囚われる人、プラスに転じられる人、その違いは何からくるのか
そこで「返せなくてもしょうがない」にたどり着くのか、「できることをとにかくやろう」と切り替えられるか、その違いは、何からくるのだろうと思ったんです。
人間は弱いもの。「周りが悪い」「騙した相手が悪い」と、責任を転化し、自分を正当化して逃げようとする心が誰の中にもあります。でも、さださんも、矢沢さんも、道場さんも、いったんはマイナスに受け止めながらもプラスに転換されました。さだまさしさんは「いずれ無理というところまで走らせてもらえないか」と言い、年間 186 本のコンサートを行ったそうです。そして、30 年かけて借金を完済したのです。
19 歳で料理の世界に入って「遅いぞ!ボケ!」と怒鳴られたり、殴られたり、作った料理ひっくり返されたり…。そんな道場さんを支えてくれたのは両親の言葉で、とりわけ救いになったのが「鴨居と障子の話だった」そうです。
「何もわからないうちは我を出してはいけない。鴨居と障子がうまく組み合わさっているからスムーズに開閉できる。合わなくなれば、障子の枠を削る。上の鴨居を削ることはしない。鴨居とは、お店のご主人、六ちゃんは障子だ。修業とは我を削っていくことだよ」
鴨居は上司、お客様、他人、世間…。障子は自分
鴨居とは、上司、お客様、他人、世間といった言葉に言い換えられます。「鴨居が悪い」と言いがちだけど、障子である自分の枠を削っていくことがスムーズに開閉できるようになるコツなんだと。道場さんにも理不尽なことがいっぱいあったことでしょう。それでも常に「自分がどう変わるか、自分をどう成長させていくか」、「つまり、どう障子の枠を削るか」を考えられた。道場さんには、「鴨居と障子」が根本にあった。
「なんでここまで言われなきゃいけないんだ!」とか「この人おかしいんじゃないか」と思ったら、その瞬間に思考が止まります。「相手が間違っている」ならば、こちらは変える必要がないから。それだとやっぱり成長がないし、創意工夫も生まれません。「これがデフォルト」と定められていたとしても、それで、お客様の要望に応えられないのであれば、そこで思考停止せず「ではどうするか」までを考えられるかどうか。いかに自分の障子を削って、開閉をスムーズにしていけるか。それが「仕事」でもあると思います。
「鴨居は変わらない」という前提で物事を考えられるかどうか
さださんも道場さんも矢沢さんも「自分で何とかする」と決められた。そこにしか選択肢を持たなかった。「自分で何とかする」と決めたから、そこに至るための方法を考えたのでしょう。この方法がだめなら他の方法は…という発想で何とか道を探していくのか、「これが無理ならもう駄目だ」とあきらめていくのか、この差はものすごく大きなものになっていくと思います。
料理の世界に入る際、道場さんは母親から「人に可愛がってもらいや」と言われ、素直に「可愛がってもらおう」と決めて、「可愛がってもらうためにはどうしたらいいか」を考えられた。「どうやったら親父さんや先輩が喜んでくれるかを常に考え、朝から晩まで身を粉にして働いた。すると先輩が料理のレシピを見せてくれたり、新しい仕事をまわしてくれたりして、腕をめきめき上達させることができた」とおっしゃっています。
「障子の枠」は自分でコントロールできること
「鴨居の形は変わらない」のであれば、自分の形を変えざるをえません。でもそれは、自分のコントロール下にあることであり、自由自在でもあるということです。
何か〝こと〟が起こった時に、人間の思考の癖が出ます。「お客様にはきちんと説明しました。でも理解してくれていなかったようで、後から文句言われてしまいました。…私はちゃんと言ったんです」と言う人は「鴨居が悪い」と言っているのと同じですね。
ついつい、他人のせい、環境のせいにしてしまいます。それにやはり「人の心は放っておけば荒れるもの」。油断すると「他人のせいに、環境のせいにしてしまう自分」が出てきます。それも結局、「思考の癖」なのかもしれません。
前述した 3 人の方は、いずれも大きな困難や挫折に直面しつつも、他人や環境を責めるのではなく、自分自身の力で問題を解決しようと、前向きな姿勢を貫かれました。現実を受け止め、他責ではなく自責として覚悟を決めて次に行く、それができる人が進化発展し続けるし、自己成長を遂げていくのでしょう。道場さんの心には「障子の枠を削りなさい。修業とは我を削っていくことだよ」というご両親の言葉が常に響かれていたのだろうなと思います。
【社内木鶏会 感想文】
*人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。
<指定記事~ 特集総リード 運命をひらくもの> |
<今月の選出感想文>
私は転職をする際に、前職の上司に「若い時は楽をしようとせず、がむしゃらに仕事した方がいいよ。そうじゃないと年取ってからもっと大変だよ」と言われました。その言葉がずっと心に残っており、その言葉のおかげで今なんとか仕事をすることができています。
この言葉をくれた上司はまだ30代にもかかわらず部長をしており、それなのにとても気さくな方で尊敬できる方でした。この特集記事では「本業に無我夢中であることは、運命をひらく第一条件である」と書かれていました。まだ私は無我夢中で仕事をすることができていません。無我夢中で仕事に取り込み、前職の上司の教えを守れるよう努力したいです。
また、この記事では「人間の心は庭のようなもの」という言葉の引用がありました。社長が朝礼でおっしゃっていた「心を手入れする」お話しを思い出しました。記事では「心の雑草を除くには、いい人、いい教え、いい言葉に触れることが必須である」とされています。まだ私は自分の心の手入れの仕方を、美味しいものを食べる、たくさん好きなことをする、気が済むまでゆっくりすることでしか行えていません。いい人やいい教え、いい言葉で心の手入れをするには人間的な成長も必要なのかと感じました。
せっかく致知を読む機会に恵まれたので、心の手入れをいい人やいい教え、いい言葉でできるように人間として成長したいと思います。
〔DX 担当:福井 樹里亜〕
【チアレッジは成長し続けます!~勉強会の実施~】
チアレッジでは、毎月、勉強会を開催しております。 労務知識はもちろんのこと、DX に強い社労士事務所として、システムの新機能やその操作方法等、勉強会を通じて情報共有し、従業員全員のレベルアップを図っております。 積極的に学ぶ姿勢を持ち続け、お客様に上質なサービスをご提供できるようチアレッジはこれからも日々成長してまいります。 |