~代表・三輪康信からのメッセージ~
「厳しく叱ってくれてよかった」
社内木鶏会感想文 & チアレッジタイムズ委員会より
「厳しく叱ってくれてよかった」
人間学を学ぶ月刊誌「致知」6 月号の特集に井村屋の中島伸子会長の対談記事がありました。
年間 3 億本を販売する看板商品「あずきバー」など数多くのロングセラー製品をもつ井村屋グループ(明治 29 年創業)の会長 CEO である中島さんはアルバイトから正社員になり、経理課長、福井営業所長、北陸支店長、関東支店長、常務取締役総務・人事グループ長、専務取締役を経て、平成 31 年に同社初の女性社長に抜擢されたという経歴の持ち主です。
吐き捨てるように言われた「女の営業をよこすなんて」
福井営業所長に就任した中島さんは、ある取引先を訪ねた時、「女の営業をよこすなんて」とその社長から吐き捨てるように言われます。
帰り道、涙で目を腫らしながらも中島さんは翌朝 5 時半に起き、7 時にその会社を再訪問。2 時間ほどたって出勤してきた社長は中島さんに「今日の株価知ってるか」「世の中、どうなってるんや」と尋ねます。
答えられずにいると「経済のことを全く知らない人間に僕らが大事な話をすると思うか?あんたの中に、女性だからっていう甘えがあるんじゃないか。そんなんで営業所長が務まるんか」とたたみかけました。それを中島さんは「おっしゃる通りだ」と受け止めます。「おかげで目が覚めた」と。
「それまでの私は女性だから断れるのかな。私が悪いわけじゃないのにという思いが強かった」。「3 時間にもわたって企業人としてのあるべき姿を懇々と説き諭してくれた」と感謝し、以来、情報収集に励むのはもちろん、消費生活アドバイザーや調理師免許など、実務に役立つ様々な資格を取得されていったとのことでした。
中島さんの原体験となった壮絶な列車事故
中島さんは、20 歳になる直前、死者 30 名、負傷者 714 名を出した 1972 年の北陸トンネル列車火災事故に遭遇します。
炎が迫る列車の中、彼女の前に座っていたのが生後 2 ヶ月、3 歳、5 歳の男の子を連れたお母さん。そのお母さんは出会ったばかりの中島さんの腕をギュッと掴み、泣きながら「3 人の子供を連れては逃げられない。でも長男は跡取り。この子だけでも連れて逃げて欲しい」と懇願したそうです。中島さんは「嫌だ!嫌だ!お母さん!お母さん!」と大泣きする男の子を抱きかかえて列車の窓から飛び降りました。
意識を取り戻したのは事故から 2 日後の中島さんの誕生日当日。その直後にお母さんと 3人の男の子全員が亡くなったことを知らされます。「救ってあげられなかったつらさは今もずっと残っています。あの時の 5 歳の子の顔が忘れられなくて…」。それでも、だからこそ「生きていること自体が奇跡。生きていること自体が素晴らしい」、これが中島さんの原体験です。
成功者に共通しているのは「行動量」、それを生み出す前向き思考
成功者は「行動力がある」と言いますが「行動の量」がずばぬけているように感じます。
「あんな言い方ひどすぎる!」と憤慨したり悲嘆にくれている人がいたら、大方の人は「そうだよ!ひどいよね!」と同調してしまうのではないでしょうか?その人が打ちひしがれていたら慰めも必要だし、「あなたも悪い!」なんてなかなか言えないものです。
でも、それで「あなたは悪くない」で終えてしまったら…。そんなことが続いていったら…。人生はそんな一瞬一瞬の積み重ねです。結果、とてつもない差になっていきます。
相手や環境にではなく「自分に原因があった」と自分自身にベクトルを向けることが行動に結びつき、成果へとつながっていくのではないか、「こんなこと言われた!」ではなく「叱咤激励」と受け取れる〝思考のクセ〟が人をつくり、人生をつくっていくのだなと痛感します。
辞表を突き返した上司の一言
東京支店長として赴任するも「田舎から来た女性の上司」と馬鹿にされ、支店でとったアンケートでその存在を否定された中島さんはさすがにショックを受け、辞表を出したことがあったと言います。
ところが当時、専務取締役だった浅田剛夫さんから「考え方が間違っている。評価はお客様がしてくれるものだ」と辞表を突き返されました。
この時、もし浅田さんが「俺があいつらを叱ってやるから」とか「何とか互いにうまくやってくれよ」なんて言うだけたったら、どうだったでしょうか?中島さんの中に甘えが残ったままで成長が止まり、なおさら会社の役に立たなくなっていたかもしれないし、部下だって表面では従いつつも反感がくすぶりつつけたことでしょう。
適当に間をとりもって調整したところで何の意味もありません。「お客さんに聞いてきなさい」と視点を変えさせた浅田さんもすごいと思うし、その言葉を正面から受け止めて前向きな行動につなげていった中島さんも見事だなあと思います。中島さんは「この時から勝手にこの人をメンターにしてもっと鍛えてもらおうと思ったんです」とおっしゃっていました。
「叱る」ことは難しいけれど
今の時代、「厳しく叱る」ことはもちろん「叱る」ことすらなかなか難しくなっています。
すぐに「パワハラだ」と言われ、それで悩まれていることも多いのではないでしょうか。でも時に「叱る」ことは必要です。それで、その人の人生が大きく変わることもありえます。
「厳しく叱る」中に本質を見据えた質問、応答があれば、その人を尊重する心があれば、それが前向きな思考に結びつき、行動力を起こさせることもあるはずです。
商品やサービスに妥協があってはいけませんから、そこは〝厳しさ〟が必要ですが、〝厳しさ〟だけでは人もついてこないでしょう。であればこそ、弊社の人事理念「人に優しく、事に厳しく、場は楽しく」を常に心に持ちながら行動し、共に成長していきたいと思っています。
【社内木鶏会 感想文】
*人間学を学べる月刊誌「致知」をテキストに「社内木鶏会」を毎月、開催しています。全員が指定された記事の感想文を発表し、その中で選ばれた感想文です。
<指定記事~ いまも料理が恋人 この道に終わりなし |
<今月の選出感想文>
このインタビューを読んで印象に残った言葉が二つあります。
一つ目は、「小さな勇気」という言葉です。インタビューの中で、道場さんは、この小さな勇気は仕事や人生のあらゆる局面に当てはまる大切な心持ちだとお話しされていました。私自身、よく「始めなければ終わりはない」という気持ちで、億劫なことほどスタートを早くすることを心がけていました。ぼんやりと言語化していた自分の意識を、「小さな勇気」といった素敵な言葉で表現されていて嬉しくなったと同時に、自分に少し自信が持てた気がします。
二つ目は、「身につけることが大事」という言葉です。この部分を読み、私は今まで、習慣や立ち振る舞い等を表現するときに、自然に「身につく」であったり、自然と「身についた」と表現することが多かったと気が付きました。そして、それはすべて事後であったり受動的な表現であったということにも気づかされました。自発的に「身につける」という意識が欠けていたことに、自分が話す言葉や表現から気づかされ、やはり意識や習慣等は言葉に表れるものなんだと実感しました。
今一度、「身につける」自発的な意識を持ち、普段の立ち振る舞いや、取り組む姿勢、良い習慣を積極的に取り込んで行きたいと思います。
そして何よりも、感謝の気持ちを持つこと、そしてそれをしっかりと表現することが大切だと思いました。道場さんもお話しをされていましたが、「周りの人がいるから自分がいる」ということを忘れずに。
「小さなことにも感謝し表現すること」を一番のベースにおいて、レベルアップしていきたいと思います。
〔労務担当:河原 優花〕
【チアレッジからの手紙 更新中!】
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